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朱黒の夢 朱黒という品種がいるわけではありませんが、朱と黒が入り混じっためだかを目標に、交配を続けています。そんな、一端のお話です。

めだかと言いますと、ほとんどの方はヒメダカを連想されるのではないでしょうか。そして、少し知っている人であれば、クロメダカ(川めだか)でしょう。

楊貴妃めだかやピュアブラックなどは、色の濃いものを求めて交配されてきた結果、生まれてきた訳でしょう。

実際、生み出した方はすごいと思います。

金魚や錦鯉も、色の濃いもの、美しいものを追い求めて、長い時間と労力の末、現在の様々な品種が生まれてきた訳でしょうから、めだかも、何れは、金魚の様になるかもしれません。

その様に考えて見ますと、赤い金魚と黒い金魚の他に、赤と黒の模様が入り乱れた金魚もいるわけですから、

めだかも、赤いものと、黒いものを掛け合わせますと、朱黒とでも言いますか、複合した個体が生まれても不思議ではないと、思った人は私だけではないと思います。

しかし、「世の中、そんなに甘くはありません。」と言うが如く、裏切られ続けたものでした。

赤と黒を交配しますと、ほとんどが茶系になり、少しが、赤になりました。

それを、さらに交配(F2)しますと、少しの茶系の他は、赤と黒に戻ってしまいました。

色々、試行錯誤(一寸、オーバーですが)して、ピュアブラックの個体や朱赤のスモールアイ、朱赤の透明鱗などを持ち出し、こうすれば、こうなるのでは無いかなどと、予想して、交配を続けています。(簡単で無いから、夢中になれますし、楽しいのかもしれません。)

写真は、何度も交配を続けては、裏切られ続けている例です。

上の写真は、下の写真のめだかの交配によって生まれてきました。

下の写真の、朱系透明鱗(右上)の個体が♀、その他の灰色〜茶系透明鱗は♂で、この♂はブラック系や透明鱗などを交配してきた子なのですが、

結果は、上の写真のように、茶系、茶系透明鱗、朱系透明鱗、になってしまっています。

こんな事を、何度も繰り返していたのです。

「1つぐらい、出ても良いだろうに。」一人で、ぼやいていたかもしれません。

ピュアブラックや透明鱗スモールアイがもったいない・・・。

そして、この春、ある日のこと、朱系の透明鱗とブラック系の子を交配(上記とは別)した幼魚の中に、これは少し違うなと思われるものを数匹見つけました。

余り期待できないかも、しかし、期待したい。と、思いつつ、数匹しかいない幼魚を丹念に育てました。

その幼魚は、上から良く見ると3本の黒い縦縞があるように見え、遠目に見ても明らかに黒っぽいと感じたのでした。

透明鱗には、黒い部分が残るものも多く、別に珍しい事ではありませんが、何となく違う印象を受けたのです。

しかし、やっぱり、成長と共に、色は薄れていきました。(がっかり。)

写真は、数匹の内の2匹ですが、普通の透明鱗めだかにしか見えないでしょうか。

幼魚の時、真っ黒にも見えたのに、黒い模様は背中に少し残っただけでした。

(つまらない話ですみません。)

考えてみれば、黒い斑模様を求めるのであれば、ブチめだかというのがあるではないか・・・と、何処からか聞こえてきそうです。

しかし、ブチ模様は、暗い所でないと、ほとんど解らなくなり、普通のめだかになってしまいますし、自分がイメージしている朱黒とは違うのです。

変な拘り・・・かもしれませんが、明るい所でも確実に朱に黒を彩るめだかを夢見ているのです。

やはり、透明鱗独特の色残りが可能性があるのではないかと思っています。

下の個体は、写真では解り難いですが、背中を中心に、体の数箇所に黒い模様がありますし、口もヒゲを生やしているかの様に黒くなっています。

ちなみに、さんさんと陽の当たる明るい所で飼育し、明るい所で撮影したものです。

この黒い模様が、もっと大きく、体の数箇所に生じれば・・・と思うのです。

ここで、終わってしまえば、余りにも面白くありません・・・・・そして、この数匹の中に、大きくなるにつれ、さらに黒っぽくなった個体が1匹だけいたのでした。

数匹の黒い筋が入った幼めだか、1匹を除いては、朱系透明鱗に黒い斑紋を僅かに持つめだかになってしまいました。

しかし、1匹だけは、成長と共に黒くなってきました。

「ピュアブラックだな。」と、はじめは思いました。

ピュアブラックが生まれても何の不思議もありません。

このめだかの両親にピュアブラックの血が入っているのですから。

しかし、どうも、ピュアブラックの青黒い色と少し違っていました。

成長と共に、赤みがかった黒が強調されてきたのです。

この個体を意識しだしてから、約1ヶ月、観察を続けましたが、婚姻色が出て来たころから、透明鱗であることがはっきりしました。

口を開いている様子を観察していますと、頭の部分は確実に朱色に見えました。

ブラック透明鱗は知っていますが、本当に朱を彩るめだかが出るとは!! こんな感動は、そう度々、出来ることではないでしょう。

大切に、2匹目を求めて、殖やしていく努力をしていこうと、思います。

ただ、これが自分の求めている朱黒?

いや、もっと、朱色ベースに黒い紋様が入るものなのです。

このめだかは、可能性を含んでいるのではないかと、また夢見ている、今日この頃なのです。

しかし、ブラック透明鱗を産んだ親めだかは、非常に弱く、昨年の夏に生まれて、秋まで産卵することなく、冬を越し、やっと、今春に産卵を始めたのですが、少しの卵を残しただけで、帰らぬ姿となってしまいました。

いいえ、私の飼育技術がまだ未熟なだけかもしれません。

それでも、残してくれた少しの子から、新しい命を誕生させようと、頑張って採卵しました。

また、残った雄めだかに、赤いお嫁さんを再度迎えることにしました。

写真(上)は、そのお嫁さんが産んだ子の中から、特長のある子を選んで写したものです。

50匹ほどの中に、2匹だけ、朱と黒の斑に見える子がおりました。

この子達、成長が非常に遅く、中々大きくなりません。

しかし、まだ小さいにも関わらず、良く色づいてきました。

一方、写真(下)は、残った少しの子が秋までの間に産んだ子(F2)たちです。

白い子と黒い子が半々の割合でした。

白い子は、おそらく、朱色の透明鱗めだかになると思われますが、黒い子がどうなるのか、期待しています。

9月を過ぎて、繁殖シーズンが終わってしまいました。

結局、今年は、結果が出ませんでしたが、来春まで、これらの子がどんな姿になっていくのか、見つめて行きたいと、夢は続いているのです。

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