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白斑ブラックのお話 ブラックメダカに現れた白斑を生じる異常、突然変異なのか、遺伝するのかを探るべく試みた交配のお話です。
 こんな、メダカを見たことがありますでしょうか?

 見つけたのは、2008年の6月のことでした。
 この頃は、ピュアブラック作出に熱中しており、毎日の様に黒いメダカの卵の収集と稚魚の飼育をしておりました。
小さな稚魚の中に、純黒な個体がいますと、飽かず眺める事が良くありました。
 成長遅れの純黒メダカばかりを追いかけていましたので、それまで気が付かなかったのでしょう、かなり大きくなった周りの普通の黒いメダカの中に、明らかに白い斑紋を見出したのです。
 この白斑は、普通は透き通っている背中に、白く濁った部分が生じたもので、体表の色彩変化では無い様です。

「病気かもしれない。」

 不安に思いながら、軽微なものから、大きな白斑のものまで、6匹を別の容器に移しました。
丁度、雄雌3匹ずつでしたので、このまま様子を見ることにしました。

・白斑は、メダカの成育に伴い、発達する場合と衰退する場合があるようで、明らかに変化していることは解りました。
・白斑の入ったメダカに他に変わった様子は無く、正常に活動している様であり、順調に生育し、産卵も正常に行われました。

 こうなりますと、遺伝によるものなのか興味が出てきて、当然の如く卵を育てる事になったのです。
写真は、2008年の8月に撮影したもので、2cm足らずの大きさであったと記憶しております。
 2008年、夏の終わり頃から秋に掛けて、6匹の白斑ブラックメダカから採卵を行いました。
多くを飼育する場所の余裕が無いため、とりあえずは、100匹余りというところでしょうか。
 元々、親メダカは、普通のピュアブラックとダルマ系、ヒカリの混合交配ですので、生れて来た子は、ダルマ系やらヒカリが入ったものやら、ブラックにしては賑やかでしたが、ピュアブラック(スモールアイ)は生れませんでした。
 結局、子めだかの白斑は確認できないまま、春に持ち越しになってしまいました。
 そして、2009年春、親メダカは、体も、白斑も、一段と大きくなった感じです。
 この写真は、今日(5月29日)撮影したものですが、どのように見えるでしょうか。
 一方、子メダカは、体長3cm位になっていますが、白斑は全く検出できておりません。
 もし、遺伝するものでしたら、隔世の可能性もありますので、F2を作らないと解りません。
この夏は、F2作りに掛かることになってしまいそうです。
 遺伝では無いとしますと、程度の違いはあるにせよ複数の個体に生じていますので、伝染性があることになるのでしょうが、周辺の他個体や他種に発生が見られませんでしたので、種か個体に固有の形質ということでしょう。

 まだまだ、検証の道のりは長くなりそうです。

 ところで、この程度の情報では、現時点で投稿するようなものでも無いのでしょうが、今回、投稿しましたのは、新たに発生があったからなのです。
 それは、2008年に見つかった白斑ブラックの兄弟メダカの子の中にいたのです。
 白斑の入った個体を別にしたのですから、今年見つけたものは、白斑が入っていないメダカから生れた子の中に現れたということになります。
 写真の様に、斑紋は軽微なものばかりですが、20匹程、選別することができました。
まだ、小型の個体ですので、これから、どの程度の変化をするものか、興味のあるところです。
 また、同じ兄弟メダカを使った交配種である 琥珀系×ブラックメダカ の中にも、同様な白斑のある個体が2匹見つかりました。
 以上の事から考えましても、この白斑は、劣勢遺伝の可能性が高い様に思われます。
それも、普遍的なものではなく、スモールアイの様に突発的に出現するものではないかと思われるのです。
 現状での断定は出来ませんので、F2の成長を待つしかありませんね。
そして、2009年秋、うまく行かなかった話です。

 殖やす事が出来ないものかと、交配に取り組みました。
F1では、生じていない事は、既に報告しました。
 多くの遺伝は、1代では生じないものです。
 その後、F2交配や、他種との交配を行ってきました。
どちらも、かなり成長しましたが、結局、白斑は確認できませんでした。
 F1と元親を交配させようとしたのですが、大きさが違いすぎて、やはり無理でしたね。
 今までのところ、惨敗です。

 でも、まだ諦めてませんよ。
いつか、いい報告ができればいいのですけどね。

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