私流メダカ飼育 :  メダカの飼い方は、幾つか基本的な事を守れば、それほど難しいものではありません。慣れてきますと、色々と楽しみ方が拡がってきますので、まずは、基本を理解しましょう。
ここでは、標準的な事から、一寸アイデアまで、私流のメダカ飼育について、簡単にですが、まとめました。
初心の方には、参考になる部分があろうかと思います。
何年も、飼育されている方は、自分流の飼育法があるかと思いますが、使えると思われることがありましたら幸いです。

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成魚の飼育
1.容器

オールガラス水槽

ガラス水槽

睡蓮鉢

プランター

保冷箱
 メダカを飼う容器は、水が漏れない入れ物であれば何でも良いと言えますが、有害物質が出ない事と、温度変化が少ない物が良いと思います。
池があればベストでしょうし、大型の睡蓮鉢も良い水槽と言えるでしょう。

ガラス水槽・アクリル水槽
 ガラス水槽やアクリル水槽は、側面から見ることが出来るため、観賞には最適ですが、ガラスは温度変化が大きいことや光が側面からも透過するなど、環境としては良くないでしょうし、アクリルは高価であるため、水槽は一時的な観賞用と写真撮影用に使っています。
発泡ケース(保冷箱)
 発泡ケース(保冷箱)は、安価で、温度変化も少なくて良いのですが、容積の効率が悪い・水を入れると持ち運びしにくい・表面が弱いため洗いにくいなど、欠点もあります。なお、新しいものは揮発性の溶剤が残っている場合がありますので、蓋を取って数日乾燥させてから使う方が無難です。また、大きさの割りに水量は少ないですので、水量を調べておきましょう。
プランター(プラスチック製の植木鉢)
 プランターの大型のものは、水を蓄えられるように栓がついていますので、水槽代わりに使えます。安価で、軽く、丈夫ですので飼育には良く使っています。
大型のものに、栓が弱くて漏水する場合がありますので、水を貯めてから数日間、水量の変化が無いか確認しましょう。

注意事項
 いずれも、良く水洗いしてから使うことが重要です。
私の経験では、成魚1匹当たり2ℓが無難な水量と思われます。40Cm水槽で育てるとした場合、水量が約20ℓですので、10匹までにしたほうが良いと思います。
2.場所 屋外
屋内
フレーム

屋外・屋内
 元々、日本の自然の中にいる魚ですので、屋外で飼う方が楽であることは言うまでも無いでしょうが、観賞のためには屋内で飼いたいものです。何れにせよ、屋内・屋外を問わず、温度や光などの環境条件を整えてやることが重要でしょう。
春~秋
 繁殖期になります。温度は十分にありますので、管理は楽な期間と言えます。屋内の場合は、光が入る窓際へ置くか、照明を付けるようにします。照明を付ける場合、タイマーを設けて、12時間程度点灯するようにしています。屋外の場合は、50%程度の遮光ネットを張るか、半木陰になるような場所へ置きます。
プランターには、底網がついていますが、私は、この底網を上に載せて、遮光  兼、ふたとして使用しています。

秋~春
 改良品種はどうしても弱いものですので、越冬させる場合、屋外で飼っていたものは、屋内へ入れるかフレーム(温室)を用意し、最低でも5℃位の水温を維持したいものです。水温は気温と異なり、水の方が温度保持性が高いですので、昼間の水温を保持することが重要です。冬場、ヒータが必要な魚ではありませんが、入れることが出来るようでしたら、18℃程度の低温でも入れるようにするのが良いでしょう。尚、普通種でしたら、凍るような水でも、冬眠状態でやり過ごすことはできます。
3.水 水道水
地下水
河川


グリーンウォータ
 水は最も重要で、解りにくいものです。

使用する水について
 私は、水道の水を1週間程度汲み置きして使っています。使用している水のPHを計って見ましたが、約8.0ありました。汲み置き水で順調に生育していますので、水道水で大丈夫であると言うことでしょう。PHは、一般に7~9位と言われていますので、新しい水で、めだかの調子が悪い様であれば、まずはPHを調べて見るべきでしょう。
水道水であれば、普通はPHの問題は無いと思われ、カルキを抜いて使うだけで大丈夫だと思いますが、高層住宅のようにタンクで蓄えて供給している場合や、地下水を使っている地域など、硬質であったり、重金属系統の成分が含まれているような場合もあります。そのような場合は、中和剤を使うしか無いでしょう。
河川の水や雨水をそのまま使えれば楽なように思えるのですが、含有成分や雑菌など、危険要素も多いようです。
めだかの場合、渓流魚ほど水質の影響を受けないとは言え、金魚や鯉のように強い魚ではありませんので、水質管理に慣れるまで、経験が要る様です。
特に、屋内での飼育は、自然環境と異なるため、難しいと言えます。

水質管理
 水質が合っている水が得られたとしても、時間と共に、水質は落ちて行きます。最良は、常に少量ずつ新しい水が供給され、古い水が排出される環境でしょうが、一般の飼育環境では困難でしょう。というわけで、水換えが必要になります。水換えが必要な条件は、1匹当たりの水量や容器の形状、温度、日照、循環濾過状態など、環境によりまちまちです。
環境が悪い所では、大変な速さで水質が悪くなります。バクテリア等による水質改善力が水質悪化に追いつかなければ、その速さに応じて、水換えをしなければなりません。もし、1日でめだかの体調に影響するほどの水質悪化であれば、毎日、水換えをしなければならないということになってしまいます。逆に、水質改善が常にできている環境では、ほとんど水換えをしなくても、順調に生育します。
最低条件として、水量を多くすることと、光や温度など、バクテリアの繁殖しやすい環境を作ることが重要と思われます。
順調な飼育環境下では、水換えは少なくて済みますが、蒸発による水量の減少分の補充を忘れないようにしましょう。

GW(グリーンウォータ)
 温度と光がある場所へ、水を汲んで置いておきますと、1ヶ月ほどで、水が緑色に変化してきます。さらに、水に栄養がある状態ですと、それが加速され、ひどい場合は、全く透過できない状態になります。これは、珪藻類の発生によるもので、水の状況としては良い傾向であると言えます。さらに進行しますと、大抵の場合、珪藻類は容器の表面に付着するか、底に溜まるようになり、水は薄緑色で透き通るようになります。この水を、一般にGW(グリーンウォータ)と呼んでいます。私は、定着するまで、何度か水換えを行いながら、薄緑の状態を保つようにしていますが、変化の状態はまちまちで、思い通りに行かない事も多いものです。特に、他の容器が緑色に変化して来たのに、何時までも透き通ったままであったり、少し白濁している容器があった場合は、魚の状態に注意し、早めに水換えを行った方が良いと言えます。容器の表面に付着した藻類は、拭き取るか、貝類を入れるかして、取り除きます。
4.底石
底砂(上から、珪砂細・めだかの砂・珪砂小・五色砂小)
赤土
珪砂・赤土・めだかの砂など
 底石は、バクテリアを定着させたり、魚が安定して住める環境を作るための意味を持っています。
小型魚の場合、バクテリアの定着性の面では、細かいものの方が良いのでしょうが、洗いにくいという欠点があります。
屋外の、例えば睡蓮鉢のような容器で水草との風情を楽しむのであれば、洗うことは少ないでしょうから、赤土で良いでしょう。
ガラス水槽で観賞するには、色々な色や大きさの底砂が販売されていますので、好みのものを敷いてやれば良いと思います。あまり、「めだかの**」にこだわる必要は無いと思いますが、酸性やアルカリ性の強いものもありますので、性質だけは注意することと、良く洗ってから使うことが重要です。

底石の必要性
 成魚は水底での生活も多くなりますので、底石により、水質維持の他に、生息環境としての安定性や休息・産卵などのために、必要なものと思われますが、稚魚育成用には、特に底石がいるようには感じません。幼魚期は水面生活ですし、水の汚れ方も違います。また、生まれたばかりの稚魚は底で静止することがありますが、底石があると潜り込んでしまうアクシデントの可能性もあります。
5.餌 珪藻類
ミジンコ
ブラインシュリンプ


メダカ用飼料
 めだかは雑食性で、自然には、植物性・動物性プランクトンを主食にしている様ですが、水面に落ちた小昆虫や水棲植物の破片など、色々なものを食べます。
珪藻類
 十分に緑が育った水では、植物性プランクトンが豊富でしょうから、幼魚期はそれだけでも育つようです。
しかし、限られた容積で育てているわけですから、それだけでは十分な食餌を確保できないと思われ、生育するにつれ、数が減ったり、生育不良の個体が生じたりします。確実に育てようと思いますと、人工的な食餌による栄養分は必要であると思われます。特に、幼魚から成魚に育つまでの間は、栄養豊富にしてあげるほうが良いでしょう。

天然餌(ミジンコ・ブラインシュリンプ)
 ミジンコなど、動物性プランクトンは、昔は、池などで発生しているものを掬ってきたりしましたが、中々、いなくなりました。観賞魚店で市販しているところもありますが、余り一般的では無くなってしまいました。ブラインシュリンプは、卵で売られており、塩水に一晩浸けておくと孵化しますので、卵殻を除いて与えます。
めだかフード・金魚のえさなど、粉末飼料
 やはり、天然のものが良いのでしょうが、毎日、与え続けることは、面倒なことです。昔は、麩やパンくずなどを与えたりしてましたが、現在は、めだかフードや金魚のえさなど、様々な飼料が安価で市販されていますし、養分なども考慮されていますので、市販のフードが手軽で良いでしょう。但し、めだかの場合、浮上性の良いものを選ぶほうが良いでしょう。
稚魚・幼魚に関しては、植物性プランクトンが無い状況でしたら、めだかフードを微粉末にしてやる必要があります。現在は、稚魚用のフードも市販されています。

餌の与え方
 餌の量は、少なめが基本です。特に、魚が小さいほど、少なめにしたほうが良いようです。
私は、成魚10匹当たり、耳かき1杯の量を1日2回、稚魚・幼魚は、細い棒の先に付けてパラパラと水面に撒くことを、1日2~3回を目安にしています。
成魚の餌やりは、魚の状態を確認する意味でも、餌を入れる場所を決めておいた方が良いと思います。健康な状態ですと、餌を察知するといち早く浮上してきますし、餌の場所を覚えて、人の気配で集まるようになります。逆に、水温が低い時や体調が良くないなどの障害がある場合には、浮上して集まらなくなりますので、対処の必要が考えられます。

6.温度 最高・最低
気温と水温
生息できる温度(最高・最低)
 めだかは、日本の気候に適するように、長い年月を経て順応してきたのでしょうから、季節による温度変化に対しては、最低2℃位~最高35℃位までの水温に適応できるようです。尚、生育・繁殖の適温は、20℃~25℃位です。
10℃以下に下がりますと、活動はにぶり、休眠状態に入ります。
適応できる温度範囲は広いと言えますが、短時間の温度変化で、大幅な変化が生じると、適応できなくなる場合が考えられます。特に、気温と水温の違いについて認識しておく必要がありそうです。

気温と水温
 一見、水温は気温より低いと思いがちですが、水は温度保持性が高いですので、空気と比べて高い場合や低い場合があり、温度変化は異なります。日射に寄る水温上昇は遅いですが、気温低下による水温の低下も遅いですので、冬場・夏場の水換えには水温の確認が重要です。
また、温度保持性が高いと言うことは、最高温度が高くなり安いという事ですので、夏場に日射が当たる状態では、気温が30℃程度でも、水温が40℃以上になることもあります。
最低限として、水換え用の水は、水槽と同じ環境に数時間以上置いたものを使うことと、屋外の場合、日射による急激な水温上昇が生じないように気を付けなければいけません。

7.光 日射

育成灯
日射の重要性
 めだかにとって、光は重要な物のようです。単純に明るい・暗いではなく、光そのものが生育に作用しているように思われます。但し、直射光が狭い水槽に長時間当たりますと、水温変化への影響が大きいですので、明るい木陰(木漏れ日)状態がいいのでしょうが、1日中、その状態を維持できる場所は少ないと思います。屋内でしたら窓際のレースのカーテン越し、屋外でしたら50%程度の遮光ネットを張るのが確実でしょう。尚、遮光ネットは高い所に張りませんと効果がありません(植物の栽培と似たところがあります)。
日照時間も長いほうが良いと思われます。

育成灯
 室内の飼育では、光が無いと、どうしても活性が悪くなりますし、特に赤色系統の色上げが困難です。出来る限り、日射が入るようにしてやりたいものです。
育成灯にも紫外線の効果はあるようですので、光が入らないような場所でしたら育成灯を付けてあげるべきでしょう。(太陽にはかないませんが。)

8.その他

エアーポンプ

分岐器

ペットボトル
吸水ポンプ

食塩
エアー
 めだかの数に対して、水量が十分であれば、特にエアーを入れる必要は無いようですが、入れられるのであれば、入れる方が良いでしょう。なお、容器の大きさに対して、どうしても、多くのめだかを入れなければならない場合、水中酸素量欠乏を避けるため、エアーは必須といえます。但し、水量が少ない場合、エアーを弱くしましょう。(分岐栓などで、調節します。)
また、魚が小さい時期は、浮上性の餌が流れてしまうことや、魚が水の動きに付いていけず、疲れて弱る原因になりますので、注意しましょう。

ペットボトル
 飼育に必要なものではありませんが、2ℓ程度のペットボトルがあると便利です。私は、少量の汲み置き水の作成や温度合わせに使っていますし、1~2匹のめだかを移動させるときに、半分に切って、1ℓのカップとして使っています。
色々と重宝ですが、欠点は、熱に弱い事です。熱湯消毒ができませんので、病気等の気になる状況がある場合には、再利用しないようにしないといけません。

吸水ポンプ
 水換えを行う際、上の方の水を換えるだけでは汚物などの排出が出来ませんので、底の方から排水する必要があります。底の水を排出する場合に、あれば便利です。(観賞魚用に市販されていますし、灯油給油用のポンプでも代用できます。)使用する際、吸水側にメッシュのネットをゴムや針金などで付けて、めだかを吸い込まないようにしておきます。

 万病の予防薬としての効果があるようですので、用意しておくと良いでしょう。
めだかは、かなり汽水域に近い所にも生息できる様で、塩分に対しては強い様です。但し、急に濃い塩水には入れないようにしましょう。
繁殖について
1.採卵

採卵(シュロ)

採卵(シュロ)

採卵(底砂採取)
 めだかの寿命は短いですので、暖かい繁殖期に多数の卵を産み、翌年の子孫を維持していくことで、続けて楽しめる魚です。めだかの方も、春~夏の半年間は、子孫を残すことに専念して費やしますので、採卵は楽であると言えます。
採卵のための条件
 もちろん、雄と雌が同居していることが条件ですが、20℃以上の水温と12時間以上の明時間があれば、特に何もしなくても、卵は産みます。
但し、めだかが元気である事と水質が安定している事など、健全な環境下であることが重要です。
また、めだかのタイプが近いタイプであれば採卵し易いですが、異なる場合(例えば、普通種の♀とダルマ系の♂の場合など)は、採卵しにくくなりますが、根気強く粘る事です。

採卵方法(水草やシュロ皮などへの卵付)
 採卵には、色々な方法がありますが、水草やシュロ皮などへ産み付けさせる方法が最も簡単です。産み付けさせるものは、卵の粘着糸が絡みやすいものであれば何でも構いません。但し、めだかが卵付場所に選ぶように隠れやすい形にしてやり、余り多く入れないようにしましょう。何れにせよ、この方法では、全ての卵を回収する事はできませんので、産卵数が多い場合に良い方法でしょう。
採卵方法(直接採取)
 めだかは、大抵の場合、朝に産卵して午後まで腹端に卵塊をぶら下げて泳いでいます。腹端にぶら下げている卵塊が受精卵であることを確認できましたら、そのめだかを網に掬いいれ、やわらかい筆などで卵を直接採取します。手間が掛かりますが、確実な方法ではあります。但し、親めだかに負担を与えますので、私は、中々産卵しない場合など、自然卵付で採取できない場合に行っています。
採卵方法(底砂採取)
 通常は水草や植物の根など、水中の固定物に産み付けますが、産卵に適さない時やめだかのタイプによっては水底へ産み落とす場合も多く、産卵数が少ないと回収できない事がよくあります。飼育水槽が小型のもので、水草や岩などの固定物を減らして採卵する必要がありますが、水槽の底や壁面を綿などの繊維状のもので拭き取る事により直接採取する方法もあります。濾過槽に入れる濾過マットの綿が使い易いと思います。水を余りかき混ぜないように、軽く表面を撫ぜて拭き取るようにします。
この方法も、採取できる数は多くありませんので、採卵が困難な希少品種などに有効な方法でしょう。

採卵方法(孵化水槽による採取)
 人が与えた卵付物に産卵されることは、めだかが産む卵の半数以下である場合が多いものです。個体に寄っては、全く卵付しないものもあります。(ダルマ系やアルビノなどに多いようです。)多くは、底砂などに産み落とされています。見つけ出すことは至難の技と言えますので、逆に、孵化水槽に親めだかを数日~1週間程度泳がせて置き、親めだかを飼育水槽に戻した後、そのまま孵化を待つ方法です。
採卵しにくい場合に効果的な方法ですが、やはり、親めだかに負担が掛かりますし、孵化しない場合でも、確認できないという弱点もあります。また、低温期で孵化までに日数が掛かる場合に、水質が落ちている可能性も高くなりますので、水換えをした方が良い場合もあります。

卵の管理
 採卵した卵は、親めだかとは別容器で孵化させます。同居させておきますと、親めだかが全ての卵を食べてしまうことはありませんが、孵化直後の稚魚は、ほとんど食べられるか、食べられなくとも親めだかに追い回されて行き場を失ってしまいます。
2.容器

孵化容器

育成容器
孵化用の容器
 孵化させるための容器は、余り大きなものは不要です。10ℓ以下の浅型のプラスチック製の入れ物が適当でしょう。ペットボトルや洗面器、コップなどでも孵化させることはできます。
育成用の容器
 少数の子しか要らないなど、1水槽で済むようでしたら、孵化用の容器をそのまま使っても構いませんが、継続して採卵する場合を考えますと、孵化用と育成用の容器を分けた方が良いと思います。孵った稚魚を見つけ次第育成用の容器へ移すか、或いは、稚魚が少し大きくなるまで育てた後、大きい育成用の容器に移します。育成用の容器は、孵化用の容器と同等のものでも構いませんし、成魚用の水槽を使っても良いでしょう。
3.管理

孵化

幼魚育成
卵から孵化までの管理
 卵の孵化は、新鮮な水(雑菌の防除、水中空気量の確保のため)を使うことが重要です。通常、7~10日で孵化しますが、水温により孵化までの日数が左右されます。カビなどの雑菌の繁殖力は、めだかの成育よりも早いですので、雑菌の少ない内に、高温(25℃~30℃)で早く孵化させることが望ましいと言えます。また、未受精(白く濁る)の場合は、表皮の腐食により卵内部の養分が溶け出すため、カビの繁殖源になりますので、取り除くようにします。一度、カビに入られると、生育途中の卵を全滅から救うことはほとんど不可能と言えます。

孵化後の飼育
 孵化しためだかは、他の卵との孵化期間にばらつきがあるようであれば、別の容器へ移しますが、揃って数日中に孵化する様であれば、そのまま育てても良いと思います。孵化してから4~5日は摂食しませんので、孵化用の容器でそのまま育てる場合、大半の卵が孵化してから餌を与える様にします。食べ残しの餌も卵のカビ発生の原因になりますので、なるべく餌を与える時期を遅らせる様にします。稚魚は活動範囲が狭く一箇所に集まりませんし、消化器官が小さいですので、餌は微粉末のものを極少量、パラパラと水面に撒くように与えます。代わりに、成魚よりも回数を多く与えるようにします。餌やりは明るい所(時間)で行います。
 稚魚期は、水の動きが無い場所で、物影になるような水面付近でじっとしていますので、エアーは不要ですし、特に水が濁るような事が無い限り、水換えも行わない方が良いでしょう。(ここでも、ある程度大きい容器を使った方が、有利です。)


幼魚期の飼育
 数が少ない様であれば、孵化水槽のままで育てても構いませんが、ある程度まとまった数の場合が普通ですので、余り大きくならない内に、飼育用の容器へ移します。生育に差が生じている場合は、大きいものと小さいものを分けて育てるほうが順調に育ちます。
 飼育は、体長が1.5Cm位になるまで、稚魚の飼育に習えば良いと思いますが、水換えは、状況を見て行うようにします。
1.5Cm以上の大きさになりますと、親と同居できるようになりますし、繁殖を始める個体も出てきますので、選別を行います。活動範囲も変わって来ますので、餌やりや水の管理を成魚と同等にします。

4.その他

洗剤付属の匙
キッチンペーパー
稚魚の移動
 稚魚を移動させる必要がある場合、私は、洗濯洗剤に付属のスプーンを使って掬っています。このスプーンも、緑色で透き通ったものが使いやすい(めだかが警戒しない)様です。ゆっくりとスプーンをめだかの目の前に持って行きますと、めだかの方からスプーンへ入る場合が多いです。また、移動先への水合わせにも、このスプーンで水を掬い入れるようにしています。
 その他、このスプーンをいくつか用意しておくと、色々、重宝します。


食べ残しの餌と油膜の処理
 小型の容器で、いつも餌を与えますので、水面に食べ残しの餌や餌から出た脂分の油膜が張ることがあります。めだかが食餌しにくくなりますし、水質悪化の原因になりますので、取り除く必要があります。数箇所にかたまっているようでしたら、上記のスプーンで掬えますが、全面に張っている場合は、キッチンペーパーかティッシュペーパーを水面に浮かべて、片方の端を持ち、滑らすように引き上げることで取り除けます。キッチンペーパーの方が、丈夫なため使いやすいです。

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