山梨県水産技術センターを見学させていただく機会がありましたので、ご紹介します。 水産技術センターで扱われている魚種は、鮎と鯉でしたが、飼育技術情報としてめだかと関連すると思われることについても話を伺えましたので、参考になることがあるかと思います。 |
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1.鮎の養成。 |
山梨県で卵から稚鮎を養成している場所は、同センターだけとの事で、県内の各河川に放流される多くの稚鮎は、同センターで養成されたものだそうです。 私が、訪れた時は、もう稚鮎の放流は済んでいましたので、来年に向けての親鮎の育成の段階でした。 写真の様に、円形の水槽で、常に水流を起こした状態で育成されてました。この水は、地下水を利用しており、循環にはしていないとのことで、常に、新しい水が供給された状態になっております。 施設は、渓流と呼べるほどの河川の傍にあるのですが、河川の水を使わずに地下水を使う理由は、病原菌が入らないためとの事です。 鮎は年魚で、秋には河川の下流へ下って産卵後に一生を終えます。そして、河川で孵化した子鮎は、孵化してすぐに海へ下り、海での生活を経て、春から川を溯上します。 同センターで地下水を用いて養成された親鮎は、秋になると成熟し、採卵が可能になります。 孵化した子鮎は、人工海水水槽で育てられ、溯上の時期に合わせて、また、真水に戻していくことにより、放流できる子鮎を養成しているのだそうです。 子鮎用の屋内飼育施設は、ガラス温室の様な明るいものではなく、窓が小さくて非常に暗かったのですが、明るいと頭を側壁にぶつけたりするらしく、暗くしてある様です。めだかでも、稚魚を育てる環境は、余り明るくない方が良いのかもしれません。 |
2.見学者用の施設。 こちらは、見学者に見ていただくために、近づいて見ることが出来るようにしてあるそうです。 細い水路を、鯉が泳いでおりました。 見学は、小学生の社会見学が多いようです。社会見学でこんな所が見学できるとは、いいなあと、個人的には思いました。 |
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3.鯉の養成。 |
こちらは、鯉の養魚施設。 やはり、めだかがいる環境に近いと思われ、最も興味のあるところでした。 鯉の水槽は、上の写真のように、四角い水槽の北端から入水し、写真には写っておりませんが、南端には出水口が設けられています。しかし、水は濃い緑をしており、底が見えない状態です。深さは浅いそうなのですが。 鯉は、鮎とは異なり、水中の酸素量が少なくても大丈夫なため、池に注がれている水量は比較的少なめでした。但し、流している水は、こちらも、病原体の侵入を防ぐため、地下水を使っているようです。また、常に新しい水を注ぎ込むことは、水質保持としても重要な様です。 ここでの鯉の養殖は、コイヘルペスの流行の時に、他県からの稚魚の入手が困難となった際に、役立ったとの事です。 下の写真は、採卵用の親鯉の様子です。 非常にゆるい流れになっており、鯉は自由に泳げるようにしてあります。 鯉の採卵は、親鯉に卵付させて、別の水槽へ移して育てる。めだかと同じ様です。 春の日差しを浴びて、のんびりと泳いでいました。 めだかの飼育では、どうしても貯め水を使うことになりますが、やはり、今回見学した鯉の養殖水槽のように、少量の新水を常に供給できる環境が理想なのだと思いました。 環境の整備にもっと力を入れなければ、多数のめだかを維持していくのは難しいと感じた見学でした。 最後になりましたが、見学させていただきました上に、詳しい説明をしていただきました山梨県水産技術センターの方々に、この場を借りて、お礼申し上げます。 |